対戦ゲームにおけるゲーム内資産について
ゲーム内資産とは、あるゲームをプレイすることによって蓄積されるアイテム、経験値などのことを指す。
ゲーム内資産をユーザーの持たせることは、開発側にとって大きなメリットがある。しかし、プレイヤー間の対戦がメインコンテンツであるゲーム(以後、対戦ゲーム)では、ユーザーにゲーム内資産を持たせることが他のゲームに比べて難しい。
この記事では、ゲーム内資産をもたせることのメリットについて触れた上で、対戦ゲームにおけるゲーム内資産を持たせることがなぜ難しいかについてまとめる。
ゲーム内資産を持たせるメリット
より多くのゲーム内資産を持たせることで、ユーザーのゲームの継続率が向上する。
ユーザーは、なんらかのコストを払うことによって獲得したゲーム内資産があることで、そのゲームを続けようとする意欲が増す。
ユーザーコストを払ったことを目に見えわかるようにすることで、その資産を利用してゲームを続けたいという心理が働く。
継続率が生命線となるソシャゲでは、ユーザーにいかにゲーム内資産を持たせるかが運営では非常に重要である。
また、コンシューマ、パッケージ型のゲームならば、ゲーム内資産を持たせることで長く遊んでもらえるようになり、中古への流出を食い止めることができる。加えて、追加DLCの購入へ繋げることもできる。
ゲーム内資産の具体例
キャラクターのレベル
プレイヤーが操作刷るキャラクターの使用を繰り返すことで、経験値がたまり、キャラクターがレベルアップする。
時間というコストにより、獲得されるゲーム内資産である。
キャラクター
RPGなどでは、キャラクターそのものを手に入れるのにもコストがかかる場合がある。
ソシャゲの場合はそれが顕著で、ガチャによる課金を通じて手に入れる場合があり、コスト=身銭であるため、これを資産として重要だと感じる意識が強くなる。
装備品
装備品もキャラクターと同じ様に入手にコストがかかる仕様が一般的である。
ファイナルファンタジーレコードキーパーなどは、メインの課金要素である。
ドレスアップ
キャラクターの見た目を変化させるものである。
MMOのアバターが代表的である。
他にも、プレイヤーキャラクターのスキン(コスチューム)などが挙げられる。
対戦ゲームにおけるゲーム内資産の問題
ゲーム内資産は、あればあるほどゲームを有利に進めることができるようになるという仕様が一般的である。
そもそも、ゲーム内資産に価値があるとユーザーが意識するのは、そのゲーム内資産によりゲームを有利に進めることができた時である。
ところが、ゲームがゲーム内資産を持つものが、ゲームを有利に進められることは、対戦ゲームにおいてとても不都合である。
対戦ゲームは、どのプレイヤーも公正・平等に扱うことが必要である。
どちらかのユーザーを有利に扱っては、不公平感をユーザーが抱いてしまう。その不公平感は、ユーザーの離脱に繋がるのである。
古くから遊んでいるプレイヤーが有利になってしまうようでは、新規ユーザーはすぐに離脱してしまい、そのゲームはすぐに廃れてしまう。
ただ、ゲーム内資産を持たないなら、ユーザーはゲームを遊ぶことによって払ったコストによって得たものがないと感じてしまい、離脱につながる。
対策1:有利になりすぎないゲーム内資産を配る
CoDシリーズ、バトルフィールドシリーズで採用されてい対策である。
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どちらも、ユーザーレベルが上がることにより、対戦で使える武器が開放されゲーム内資産となる。
だが、武器を持つことで、絶対的な優位さを産まないようバランスに調整されている。
またどちらも多人数プレイであるため、1人の強さが必ずしも勝利を絶対的なものにつながりにくいのも、本仕様が採用されている理由であろう。
とは言っても、やはり新規ユーザーは、使用できる武器が限られることに対して、多かれ少なかれ不公平感を抱くものである。
対策2:ドレスアップ要素をメインのゲーム内資産にする
これは、オーバーウォッチで採用されている対策である。
本作は、レベルがあがるごとにプレイヤーキャラクターのスキンが入ったボックスが配布される。
そのスキンをもつことでは、プレイヤー間で有利不利が生まれることはないので、とても有効な手段である。
ただ、ゲームを有利に進めるものでない以上、上記で上げた様なゲーム内資産を持つメリットはだいぶ弱まる。
加えて、プレイヤーキャラクターに魅力があるタイプのゲームでなければ、ドレスアップすることに価値は生まれない。
まして、プレイヤーキャラクターがまったく映っていないFPSでは、この対策は役に立たない。
※バトルフィールドでは、エンムブレムをカスタマイズ出来るようになっているが、オーバーウォッチの様に上手く言っているようには思えない。
まとめ
対戦ゲームは、対CPUのゲームでは通じるゲームデザインが通じない課題が多く存在する。
私は、対戦ゲームの開発に携わったことがないが、せめて、いざという時のためにも、今後、本ブログでどういった課題があるのかをまとめていきたいと思う。
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