一人称視点/三人称視点のメリット・デメリット
現在のハイエンドグラフィックのゲームのアクションゲームの多くが、一人称視点か三人称視点を採用している。
今回は、一人称視点か三人称視点とメリット・デメリットについて書きたい。
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そもそも一人称視点、三人称視点とは
カメラの位置が人間の目の位置にあるのが一人称視点で、
プレイヤーキャラクターの背後にカメラがある視点が三人称視点である。
↓一人称視点の例:バイオハザード7
↓三人称視点の例:メタルギア・ソリッド5
ゲーム中の自分の分身であるプレイヤーキャラクターの目線になるのが、一人称視点で、プレイヤーキャラクターの背後からの目線になるのが、三人称視点とも言える。
一人称視点のメリット
-圧倒的没入感
目線が、普段の現実世界と同じなので、リアリティーがあり、自分がゲームの世界に入り込んだ様な錯覚を覚えやすい。
ハイエンドグラフィックになればなるほど、その効果はどんどん大きくなる。
-プレイヤーキャラクターが視界を遮らない
三人称視点の場合、どうしてもプレイヤーキャラクターが視界を遮ってしまう。
1人称視点は、プレイヤーキャラクタの目線にカメラがあるので、その様なことはおこらない。
-プレイヤーキャラクターのモデルをつくらなくてよい(19/11/20追記)
カットシーンがない場合は、プレイヤーキャラクターのキャラモデルが表示されないので、作成する必要がなくその分コストが抑えられる。
一人称視点のデメリット
-視界が狭い
どんなにリアリティーがあるといっても所詮、現実の世界の視界よりも狭い。
視界にあるものを平面的なディスプレイに表示するしかないからだ。
-距離感がわかりづらい
所詮、平面なTV画面では、距離感がわかりづらい。だから、距離の駆け引きが重要な格ゲーには絶対に向かない。
ただし、VRなら距離感がある程度つかめるはずなのでこのデメリットは解消される。
-カメラが動きが大きい(18/4/22 追記)
プレイヤーキャラクターが動くことによる、カメラの動きが大きい。
一人称視点でパルクールアクションを楽しむミラーズエッジの動画である。
着地の度にカメラが大きく動きみえづらい。
加えて、非常に酔いやすい。
三人称視点のメリット
-キャラクターに感情移入しやすい
キャラクターが常に写っているので、キャラクターに感情移入しやすい。
そのため、キャラクターが売りのゲームはFPSよりはだいぶ向いている。
-距離感がつかめる
間合いがつかめるため、近接攻撃が主なゲームにはとても向いている。
キャラクター性が薄いプレイヤーキャラクターを使用するフォーオナーが、三人称視点だったのは、偶然ではないだろう。
-視野が広い
一人称視点よりカメラが引いているため、視野が広い。
そのため、プレイヤーキャラクターの周りの状況を把握することが重要なステルスアクションの多くが三人称視点を採用している。
三人称視点のデメリット
-キャラクターの尻ばかり見える……
キャラクターを後ろから移すため、キャラクターの尻ばかり見せられることになる。
-感情移入しづらい
プレイヤーキャラクターが常にうつっているため、没入感が薄れてしまう。
現実の世界では、自分の体を背後からみるなんてことはないからだ。
-キャラクターが視界を遮る
FPSよりも視野は広いが、プレイヤーキャラクターが常に映っているため、視界を遮る形になる。
それを解消するために、バイオハザード4では、銃を構えた時にカメラが肩越しになる。
それぞれのデメリットを逆手にとる仕様設計
それぞれデメリットをあげたが、そのデメリットをいかしたゲームデザインの事例がある。
1人称視点の「視界が狭い」に対して
バイオハザード7は、ナンバリングシリーズではじめて一人称視点を採用している。
そのことにより、状況把握がしづらくなり、より恐怖感を感じさせるつくりになっている。
下記の動画の45:53頃を観てほしいが、重要なアイテムを取ろうしした時、視界の外からボスが横から話しかけるという演出が恐怖を誘っている。
本作は、一人称視点のメリット・デメリットを踏まえた見事な作品だ。
三人称視点の「キャラクターの尻ばかり見える……」
その答えに真正面から捉えた作品が、トゥームレイダースだ。
そう、尻ばかりみさられるなら、みていて飽きない尻をみることにした。
ベヨネッタで女性キャラクターがプレイヤーキャラクターとなっていたことも、本作と同じような思想が少しはあるように思える。
下記のパッケージをみるとそうだと思わざる負えない。
まとめ
今回も、メリット・デメリットを論じた。
それぞれのメリット・デメリットを踏まえ、ゲームデザインをするとともに、デメリットを逆手に取るようなゲームデザインができるように日々の業務をがんばっていきたい。
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