オープンワールドの移動のだるさを緩和する方法
オープンワールドのメリットについては以前に書いたので今回はデメリットの一つである移動のだるさについて考えたい。
※20/9/6に更新し、デスストとツシマに関して追記しました。
問題の背景
オープンワールドは、広大なマップをシームレスに移動できるのが魅力であり、多くのゲームで採用されている。
その一方で、移動する手間も増えてしまっており、移動することにだるさを覚えやすいつくりといえる。
今まで行ったことがない場所への移動は新鮮味がある。だが、かつてきた場所を何回か往復せざるおえなくなる状況では新鮮味が薄れてしまい、結果、マンネリを覚える様になり、だるいと感じるよになる。
もちろん、同じ場所を移動するたびに、そこで新しいイベントが発生すればこれらは解決するのだが、これにはコストがかかってしまい現実的ではない。
次に、それぞれのゲームの対策法を見て行きたい。
「FF15」の対策
FF15は、ドライブで漫然と移動する時間が発生し、この最中、かなり手持ち無沙汰になってしまう。
そこで活躍するのがプロンプト君である。
PLAY ARTS改 FINAL FANTASY XV プロンプト
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2016/08/20
- メディア: おもちゃ&ホビー
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彼は、ドライブ中に雑談を持ちかけ、プレイヤーに会話の選択肢を選ばせてくれる。
これは、低コストで作成できるイベントである。
それだけでなはなく、彼は車から降りて写真を取ろうとせがんでくる。
写真をとるというちょっとしたイベントもまた、非常に抵コストで作成できる。
プロンプト君は、我々ゲーム開発者にとってとてもありがたい存在である。
とはいえ、プロンプト君の会話のバリエーションはそれほど多くないし、
写真をとることに魅力を感じない人には、それほど効果的でない。
「グラビティーデイズ2」の対策
プレイヤーキャラクターの成長に必要なアイテムを様々な場所に配置し、移動すること自体にメリットを与えている。
キャラクターを成長させたい欲求というのは、成長要素があるゲームのプレイヤーなら大抵、抱いている。そのため、訴求力は高い様に思える。
しかし、マップが広大に慣ればなるほどに、その様なアイテムを多量にまく必要性が発生してしまうのが問題である。
多量にまくとアイテムの価値は低下し、結果、アイテムに対するありがたみがどんどん薄れてしまう。
「MGS5」の対策
MGS5は、グラビティーデイズ2に似ているが、それよりも効果的である。
あらゆる敵を拉致し味方にできる本作は、あらゆるNPCをアイテムの様に価値のあるものにしている。
ただ、アイテムの様に、NPCはどこにでもおけるものではない。
また、味方にしたNPCを利用するゲームシステムを実装する必要があるため、なかなかコストが高い。
例えば、下記の様なコンテンツである。
「METAL GEAR SOLID V」大型アップデートで「METAL GEAR ONLINE」がスタート。新要素「イベントFOB」も追加 - 4Gamer.net
「ウォッチドックス2」の対策
ウォッチドッグス2 【CEROレーティング「Z」】 - PS4
- 出版社/メーカー: ユービーアイソフト
- 発売日: 2016/12/01
- メディア: Video Game
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私はまだプレイしていないのだが、GDCのセッションでとても興味深い記事があったので紹介したい。
面白い人々を生み出す「ウォッチドッグス2」のAI技術 - GAME Watch
NPC、一人一人に様々な行動させることでNPC自体を一つのコンテンツにしてしまうというものである。
NPCは多くいるタイプのゲームではとても有効なように思える。
ただ、これは高度なAIの設定が必要であり、どのプロジェクトでもできるものではない。
研究開発に潤沢な予算があり、しかも研究開発に熱心なUBIだからこそなせる技である。だが、一度、そのノウハウを手に入れてしまえば、多くのゲームに導入できるため、この問題に対してとても有効な様に思える。
「デス・ストランディング」の対策
本作は、移動そのものをゲームにすることで、移動に緊張感を持たせている。
本作は、ルートの選択があやまっていたり、無理に走ったり下ったりすると、PCがこけてしまい、配達すべき荷物が壊れてミッション失敗となってしまう仕様が実装されている。
それゆえに、移動そのものがゲームであり、それ故に、常に考えて移動する必要があるため、プレイヤーはだるさを感じない。
※デスストについては以下を参照
「ゴースト・オブ・ツシマ」
ゴーストオブツシマは、広がる世界の景色を美しくすることで、移動のだるさを解消されている。どこも見ごたえがあるのと、様々な植生、季節、地形を持つフィールドあるため、移動することが飽きない。移動が一種の観光となっている。
まとめ
どれも決定打となる解決策ではないので、開発するゲームの仕様や開発チームが持っている技術などを総合的に判断し、どういった対策をとるかを見極める必要があるように思える。
個人的には、ウォッチドックス2のアプローチが画期的だと思う。
また何か対策がみつかれば、追記したい。
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