自社製ゲームエンジンをつくるメリット・デメリット
UnityやUnreal(アンリアルエンジン)といった汎用ゲームエンジンが広まっている中、それでも自社製エンジンを使っているプロジェクトも少なくない。
今回は、自社製エンジンで開発をするメリット・デメリットを考えたい。
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メリット1:特殊なゲームをつくりやすい
UnityもUnrealもオーソドックスな3Dゲームをつくることに向いているため(※1)、特別な表現技法を採用しているゲーム(※2)で使用するためには、かなり大がかりな改造が必要になる。
※1:Unrealは、そもそもUnrealというTPSアクションゲームをつくるために開発されている
※2:例えば、十三機兵防衛圏
場合によっては、自社製ゲームエンジンを一からつくるよりも大変な場合も想定されうる。
そういった場合は、やはり自社製エンジンを開発した方がよいだろう。
メリット2:バグの修正ができる
UnityやUnrealも、当然の様にバグがあるが、多くのユーザーがいるため、個々のユーザーに対応してバグを修正してくれるわけではない。
自社製エンジンなら、そういったバグの対応も柔軟に行いやすい。
メリット3:ライセンス料がタダ
外部のツールは、当然ながらライセンス料が発生する。自社製なら、外部に払うライセンス料を払わずにすむ。
デメリット1:開発が大変
当然のことながら、ゲームエンジンの開発には、巨額のコストがかかる。
小島監督が辞めた時は、フォックスエンジン(MGS5のために開発したエンジン)の開発に多大な費用がかかったことが原因ではないかといわれたほどだ。
デメリット2:使い方のレクチャーにコストがかかる
汎用エンジンと異なり、自社エンジンを使ったことある開発メンバーは、自社にしかいない。派遣スタッフが多くいるプロジェクトというのは、珍しくなく、そういったプロジェクトはツールのレクチャーに多くのコストをかける必要がある。
EAが販売しているAnthemは、EAの自社開発エンジン(Frostbite)を使っていたが、使用方法に関する各種ナレッジが共有されなかったため、大惨事になったらしい。
※派遣社員、新人のためにもちゃんと自社製エンジンのマニュアルはつくろう!
デメリット3:自社エンジンだからといって自社で開発するゲームに向いているとは限らない
再び、Anthemの話になるが、開発に使用したFrostbiteが、そもそもFPS用に開発されたため、TPSである本作にはマッチしていなかったらしい。
せっかく開発したんだから、それを使い倒そうというケチ臭い発想が、本作の失敗を招いている。
自社エンジンを開発してしまった故に、そういった過ちを犯すことになりかねない。
※Anthemはそういった意味で非常に勉強にある作品なので、一度プレイしてみていいかも
まとめ
汎用エンジンの性能や使い勝手が上がり、多くのプロジェクトでの開発実績が増えている今、自社エンジンをつくるメリットは日々低下している。それでも、自社開発のエンジンで開発を進めたいのであれば、費用対効果について十分に検討する必要があるだろう。
また、プランナーは、今後のキャリアを考えると、どちからと言えば、汎用ゲームエンジンのプロジェクトにいたほうがプラスになるように思う。
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