他のゲームを真似する時に気をつけること
何度か、売れているゲームの側を真似するタイプのゲームをつくったことがある。たいてい、ゲームのシステムやUIのワイヤーフレームだったりはたいていうまく真似できる。
が、よく忘れられていることがある。
それは、ゲームの建付け、つまり、ゲームの設定のことだ。
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例えば、パズドラの建付けは、公式サイトの記載における以下の様なものである
”モンスターと一緒にパズルの力で冒険するゲームです。
世界中のダンジョンを踏破して、伝説のドラゴンを見つけ出そう!”
これらはゲーム中にはストーリーとしてはまったく語られることはない。
というわけで、ごくまれに建付け決めずに、ゲームシステムだけ決めて開発ををつくる現場があり、私はそれに二度ほど遭遇した。
だが、それだけはやめろ!!! 地獄への道だ..!!
はいったい、なぜ存在しているのか。その理由を考えたい。
理由1:開発者それぞれの考えがバラバラ
建付けは、一種の共通認識になる。
そのため、それがないと、各種仕様を決めるときに、仕様作成者ごとにどうしても意識のずれが生じ、ちぐはぐな仕様がうまれてしまう。
パズドラは、いわゆるソシャゲのカードにあたる部分を、モンスターとしているのは、上記の立て付けがあるからだ。もしこの様な建付けがパズドラになかったら、開発者の中には、単にカードとして認識する人もいるだろうし、ドラクエシリーズの様に冒険者としてしまう人も存在しうる。
理由2:アートワークが定まらない
共通認識がないので、キャラクターのビジュアルだったり、UIの装飾だったりに統一感が生まれなくなってしまう。例えば、パズドラの様なゲームを作ろうとしたときには、カードに描かれるビジュアルは人型になったり、ロボットになるかもしれない。
理由3:ナラティブがうまれない
ナラティブとは、プレイヤーの体験によって形成される自分自身の物語のことだ。
プレイヤーは、ゲームの中で今自分が何をして、何と戦い、何を目標にするかはストーリー以上に自分で規定している。だが、建付けがないゲームだと、ビジュアルだったりゲーム内のワードだったりに一貫性がないため、プレイヤーがこのナラティブをつくりだすことができない。
ナラティブは、インタラクティブ性(双方向性)があるゲームならでは魅力である。それ故に、ゲーム開発では、ナラティブの形成を阻害する要因は排除されてしかるべきである。
まとめ
建付けを決めずにつくるのはやめよう! 立て付け無しゲームが、爆死したり、開発炎上するのを見てきた私は強く言いたい。