プロトタイプを量産する方法の有用性
「グラフィックを詰めずにゲームのプロトタイプを量産する方法は現代でも通用するのか」
https://note.mu/the_bad_know_how/n/nf0cf6a5d9814
上記の記事に関しちょっと前に話題になったので、ゲーム開発者のはしくれとして私もコメントしたい。
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リンクの要約
上記の記事の要点は以下の通りだ。
グラフィックの一定のクオリティーに達していない状態でもゲーム性がある程度固まった状態で、そのゲームを公開するべきで、それを繰り返すことに意義があるとゲーム開発の先輩にアドバイスされたらしい。
だが、この一連の流れことを繰り返すという手法は、今のゲーム業界でも有用性があることなのかについて疑問を呈している
執筆者としては、現代のゲームの環境は、高いグラフィックのゲームがタダでも遊べるし、タダでないものでも、圧倒的なクオリティーのゲームが溢れているのだから、上記の様にゲームを公開し続けても誰にも見向きもされないし、評価もされないと考えているからだ。
以下から、私なりに上記の様な手法にどのような「有用性が」あるかを記述したい。
有用性1.ゲームを完成させることができる
ゲームは、公開しないと完成しない。「クオリティーをあげてから公開しよう!」なんて思っていては、まったく完成の目処など立たない。
締切があるから完成するなんてのは、創作あるあるだ。
有用性2.自信がつく
公開により完成したという実感が得られ、その実感が自信につながってくる。
たとえ、周りの評判が悪くとも、それでも一本つくったことがある人と、そうでない人の差は大きい。まして量産したとなれば、なおさらである。
そういう自信が、就職に繋がったり、フリーランスで仕事をとってきたりする際に大いに役立つ。
有用性3.周りの人から意見がきける様になる
ゲームを公開すれば、(たとえ、世間の人にみてもらえなくとも)自分の知り合いに遊んでみてもらうことができるので、感想がきけるようになる。
「ロムを渡して遊んでもらえばいいのでは?」と思うかもしれないが、そんなめんどくさいことを他人には期待しないほうが良い。ゲームなんて、ワンクリック、ワンタップでDLできるので、ロムをもらってインストールするのは、まあまあの手間である。
有用性4.就活で有利になる
ゲーム業界で働く上で、ゲームを自分でつくって完成させた経験は、それだけで大きなアドバンテージである。
なぜアドバンテージなるかというと、
①ゲーム開発に対して幻想がないと判断される
②何かをつくって人に見せる心構えができていると判断される
などが挙げられる。
①について詳細を書く。ゲーム会社に就職すると、普段の地味な作業に飽き飽きして、こんなはずじゃなかったと言ってやめていく人が一定数いる。だが、ゲームを一本でもつくったことがある人であるなら、そういった地味な作業がゲーム開発には欠かせないことがわかっていると、採用側に思わせることができ、採用のプラスにつながる。②に関してだが、世の中には、ゲームを実際に開発するどころか、企画書や仕様書さえも批判を恐れて制作をしない人がいる。
実際、大手の老舗ゲーム開発会社にも、仕様書をダラダラつくってて、誰にもレヴューさせない人がいる。ゲームを完成させて、人にみせることも、一つの立派なスキルであり、アピールポイントになる。
まとめ
私も専門学校時代に課題でゲームをつくったくらいだが、それなりにいいことがあった。まして、一人でつくった経験なんて、むちゃくちゃ武器になるし、意味のあることだと思う。
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