自社エンジンのマニュアルをつくるメリット
UnityやUnrealエンジンの様に、契約すればどの会社でも使うことができるエンジンが普及したと言っても、自社で開発したエンジンを使っているプロジェクトはまだまだ多い。
そういった自社で開発したエンジンは、自社開発である故に他社のナレッジが共有されているわけでない。
そこで、マニュアルの作成は自社で行う必要がある。
しかし、マニュアルをつくるコストを惜しんだり、口頭で伝えれば問題ないといった意見が聞かれる。
そこで、この記事では、自社エンジンのマニュアルをつくるメリットについて書きたい。
メリット1:アサインされた人材の習熟スピードが上がる
中途でアサインされたメンバーや他のプロジェクトからアサインされたメンバーは、そのプロジェクトで使われているエンジンの使い方を覚える必要がある。
そして、習熟するエンジンが自社エンジンの場合だと、エンジンの使用方法が出回っているわけではない。それ故、使い方について、ググって調べることができない。
マニュアルがあるとスムーズにエンジンの使い方を習熟することができる。
メリット2:コミュニケーションコストが下がる
それでも、口頭で伝えればいいという方たちは一定以上いる。
確かに、10人のチームに、新たにメンバーが1人アサインされた場合なら、1人のメンバーに対して10人教えることができるメンバーがいるので、余り大きな問題はないように思える。
教えるのに100時間かかったとしても、10人で分担すれば、一人当たりが払うべきコストは、10時間程度であり、1人日強にすぎない。
だが、何かの理由で、メンバーが減ってしまったり、圧倒的な人手不足により、新たに10人単位のメンバーをアサインしなければならなくった場合はわけが違う。既存のメンバーの各々が、100時間以上のコストを払う必要がある。
また、散発的にメンバーがアサインされた場合、プロジェクトが忙しい時にメンバーがアサインされることも想定される。
その場合も、新しくアサインされたメンバーに同様にコストをかけることができるのだろうか?
そういう状況で、マニュアルがあればどうだろうか?
基本的なことはマニュアルをみることで、理解できるようになる。
既存のメンバーは、マニュアルをみてわからないことだけを新しくアサインされたメンバーに教えればよくなり、コストがぐっと下がることが想定される。
メリット3:クオリティーが均一化する
マニュアルでエンジンの使い方を習熟すると、マニュアルに沿った作業がなされることが期待される。
そのため、各自が各々のやりたいように実装することが少なくなるはずである。
企画職がろくでもない実装をした結果、メモリを食いすぎメモリリークしたり、バグが発生するというケースはよく聞く。
マニュアルに沿ってつくることでそういったリスクを軽減することが期待される。
まとめ
マニュアルをつくることで、商品を安定してつくることができるのは明らかである。
そして、コスト削減にも繋がる。
労働時間の長時間化が叫ばれる昨今に、このメリットは無視できないのではないだろうか。
マニュアル、つくりませんか……。
↓自社(製)エンジンについて、別の記事を書きました。
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