ゲームプランナーの技術ブログ

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ストーリーを考えるために読んだ本のレビュー

ここ1年ほどは、ゲームのシナリオを考える上で役に立ちそうな本を読んでいた。

今回は、役に立つ順で、それらの本のレビューをしていく。 

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演劇入門

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正直、インテリ特有の言い回しが好きではなく、ちょっと読む気がそがれた。

また、映画的・アニメ的な手法でストーリーが語られる現代ゲームのトレンドを考えると実践的ではないように思う。

ただ、インディーズゲームだったり、個人制作の様に限られたリソースしかない時には、役立ちそうだ。演劇は、映画のように頻繁に場面転換ができない。そのため、描写できない箇所は、演劇特有の手法、セリフや設定で説明する必要がある。

限られたアセットやデータが用意できないことが多いインディーズゲームや個人開発では、この様な演劇的な手法は役に立ちそうだ。

また、以下に挙げる書籍と違い、特定の作品を例に出して説明することがないので、前提知識がなくとも理解しやすい。

映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと


 

アメリカの映画脚本のバイブルとなっている3三部作の1作目。

非常に具体的に記載されており、訳もわかりやすい。

例えば、映画は三部構成で作成して、最初の一部で主人公と人となり世界観などが説明されてなければならないといった具体的で説得力のある説明が多くなされる。

個人的に一番説得力があった話が、人間ドラマとは葛藤(≒板挟み)である主張だ。ロード・オブ・ザ・リングで言えば、リングを捨てないと世界が滅ぶが、捨てに行く過程はとても過酷で、死にかける思いをするが、その過酷な旅路を乗り越えようとするといったことだ。主人公が、何かしらの壁にぶつかり、それを乗り越えて目的を達成する過程こそが人間ドラマだという。

これがわかるだけで、良い物語とそうでないもののの違いが明確にわかるので、自分の作る物語が良し足を理解できるようになる。

ただ本作は、作者も記載している通り、続編のほうが映画、物語の構造に関する考察が詳細なので、後の作品を読んだ方がよい。

「感情」から書く脚本術


 

シド・フィールドの3部作よりは、コンパクトで読みやすい。

かと言って、雑に説明しているわけではない。脚本を良くするためのHowtoが丁寧に説明されている。例えば、人間性に問題のある主人公に感情移入しやすくする方法だったり、ストーリーのつかみ・フックをつくる方法と言ったものだ。

ゲームのストーリー制作にも十分に活かせる。とはいえ、シド・フィールドの3部作が基礎だとしたら、こっちは応用なので、おススメ度では、シド・フィールドの3部作の方が上だ。

素晴らしい映画を書くためにあなたに必要なワークブック


 

3部作の2作目。一番、まとまっているし、構成に関する考察も1部よりも細かく説明されている。ストーリーを書き方を順を追って説明しているので、実践的だ。

が、訳がとてもわかりづらく、読み物としてちょっと厳しい。

最高の映画を書くためにあなたが解決しなくてはならないこと


 

もし、シド・フィールド 3部作の中で一つだけ読むなら、これを勧めたい。

構成に関する説明も十分だし、訳も2作目に比べるとわかりやすい。また「「感情」から書く脚本術」の様に、問題を解決するためのHowToも網羅されており、実践的でもある。

まとめ

映画や演劇のストーリー作成の本を紹介したが、ゲームに比べると、物語に関して論じられてきた歴史が長いので、非常に参考になる。ゲームシナリオ志望の方はどれか一つでも手に取ってみても損はないと思う。

※その他オススメの本

sonykichi.hatenablog.com