ソシャゲ開発者がコンシューマゲームの開発で戸惑うこと
前回は、コンシューマゲーム開発者がソシャゲの開発で戸惑うことについ書いた。
今回は、逆にソシャゲの開発者がコンシューマの開発の際に戸惑うことについて書きたい。
ソシャゲ開発→コンシューマ開発はまだあまりメジャーではないように思うが、
Swichの盛況により、ソシャゲの開発会社もコンシューマゲームの開発に乗り出しはじめたので、まったくない話ではない。
私は、ソシャゲ開発の開発をしばらく続けた後に、コンシューマ開発に戻った経験もあるので、その時の経験をもとに書きたい。
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その1:開発環境が違う
ソシャゲの開発の多くが、Gitでバージョン管理をしていると思うが、
コンシューマは圧倒的にサブバージョンが強い。
これは、コンシューマの開発を行っている会社の多くが、古くからあるゲーム会社であり、サブバージョンの文化が根付いているからだろう。
また、ソシャゲの開発だと、ゲームエンジンはUnityを使っている会社が多数であるが、コンシューマの開発は、会社やプロジェクトに応じて様々である。
細かい所でいうと、使用しているチャットツールがスカイプと言うケースが非常に多い。スラックが当たり前のソシャゲ開発の現場からなかなかに不便である。
その2:カットシーンのコストが大きすぎる
ソシャゲでは、キャラ同士の会話が、メッセージウィンドウと2Dのキャラ絵で処理されるケースが多い。
※例:FGO
そのため、キャラ同士の会話に、モーションの実装、表情の実装、リップ・シンク(声に合わせて唇を動かす処理)の実装が必要である。
特にモーション制作のコストは非常に大きい。モーションを手付で行うと非常に時間がかかるため、モーションキャプチャーをしなければならいが、そのための施設を持っていない企業だと気軽に収録することもできない。
その3:アセットのコストが膨大
ショップだったり、宿屋だったりといった施設は、ソシャゲの場合、3DCGで描画しないのが普通であるが、コンシューマだとそうはいかないケースが多い。
そのため、ショップや宿屋を実際につくったり、ショップや宿屋に至るまでの街並みもつくらなければならないケースが非常に多い。
そういった背景のアセットだけではなく、キャラクターモデルのコストも高い。埋め込むボーン数だったり、スキンのテクスチャーだったりが、かなりリッチである。
その4:開発までの期間がかかる
ソシャゲだと開発期間1年ほどでリリースするのが普通だが、コンシューマだと1年以上は開発期間がかかるのは当たり前で、2~3年かかるのもザラにある。
長くなる理由は、ゲーム全体のコンテンツの量が膨大であること、投資額(10億超えも当たり前)が大きいため、開発に慎重を期す必要があることなどがあげられる。
その5:開発規模が大きい
ソシャゲの開発規模もだいぶ大きくなってきたが、コンシューマだと100名超えは当たり前になってきた。
そのため、しっかりとした組織を構築しなければ、コミュニケーション不足におこるケースが多い。
まとめ
「その1」を除けば、開発規模がとにかく大きいことに起因するあれこれに、戸惑いを覚えることが多いと思う。
ただ、ソシャゲの規模もだんだん大きくなってきているので、今後は同じ様な問題がソシャゲにも発生するかもしれない。
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