「コンセプト」について
前回は、コンセプトワーク意義について書いた。
では、コンセプトとは、どういったものだろうか?
今回は、コンセプトについて書きたい。
これまでの議論のまとめ:
前々回にて、ゲーム開発の際には、様々な方針によって進められ、その方針のカテゴリーは主に3つの方針があることを書いた。
「アート面における方向性」、「ストーリー性の方向性」、そして「ゲーム性における方向性」である。
そして、その方向性は、一般的にコンセプトと呼ばれ、コンセプトによって、仕様の策定や実装することをコンセプトワークと呼ぶことを書いた。
今回、議論したいコンセプト(=方向性)は、「ゲーム性における方向性」である。
ゲーム性における方向性にはどういったものがあるのだろうか?
下記の本を参考に考えてみたい。
遊びの原理を掲げるパターン
このパターンは、かくれんぼや鬼ごっこの様な古くからある遊びの面白さを抽出するパターンである。
例えば、
「鬼ごっごの逃げ道を探す楽しさ」や「ドッジボールの再現」など古くからある子どもの遊びのルールを画面内に再現するパターンです。(p. 85)
メタルギアソリッドやアサシンクリードの様なステルスアクションは、基本的に「かくれんぼ」のゲーム性を核にしている。
大ヒットゲーム、ダンガンロンパは、「人狼ゲーム」を元に作られていることは有名である。本作は、「人と人との騙し合い」という人狼ゲームの面白さを独特の世界観で実現してる。
感情を掲げるパターン
「好きな人に告白するドキドキ感」や「敵を投げ倒す気持ちよさ」
(p. 85)
といったものである。
ただ、このパターンは、その感情を感じるシチュエーションが、人によって異なるので注意が必要である。「ドキドキ感」とか、「気持ちよさ=爽快感」といった場合、それを感じるシチュエーションが人それぞれ異なる。
引用した文の様に「好きな人に告白する」、「敵を投げ倒す」といったシチュエーションをきちっと書くことが重要だと考える。
そして、そのシチュエーションも、特殊なものではなく、一般的なものでなければならない。「オリンピックに出た時の重圧」なんて、国民のほとんどが感じたことがない感情はまったくコンセプトとして役に立たない。
また、本作には、「ゲームシステムをクローズアップすパターン」、「原作つきゲームのパターン」などがあげられる。
前者は、第二次世界大戦をRTSで、FPSで、ターン制戦略SLGでといったものである。
後者は、「ワンピースキャラクターの特殊能力を使ったド派手なバトル」と言ったものである。
マンガや映画をゲームで体験させるパターン
これは、上記の本には記載されていないのだが、ハイエンドグラフィック時代にならではのコンセプトである。
大ヒット映画「インディージョーンズ」の様な冒険を体験できることを追求したのが上記の大ヒットゲームである。映画を見たことある人なら、誰でも知っているあるあるが本作にはいっぱいである。
渡っている古い橋が壊れる、古代人がつくったパズルを解く、宝を狙う悪の組織との戦いといったお馴染みの要素を思う存分体験できる。
それ故に、どのゲーム要素も中途半端……おっと個人の主観が……
地球防衛軍4.1 THE SHADOW OF NEW DESPAIR - PS4
- 出版社/メーカー: D3PUBLISHER
- 発売日: 2015/04/02
- メディア: Video Game
- この商品を含むブログ (19件) を見る
本作のコンセプトは、明らかにウルトラマンの世界観である。「地球防衛隊だけで怪獣から世界を救う」といったものだろう。
こういった作品は、どちらもある世代にとっては原体験であるためコンセプトとして成立し得る。
まとめ
コンセプトのパターンについて考えてきた。
いずれのパターンも人に伝わるものであることが重要である。
その観点から言うと、パックマンの「食べる」というコンセプトは、全人類の誰もが経験しているものであり見事である。
コンセプトを考える際に参考になれば幸いである。
〈スポンサードリンク〉