「UIとしてのプレイヤーキャラクター」について
前回は、UIをHUD系UIと非HUD系UIに分けて論じた。
さらに、プレイヤーキャラクターもまた、非HUD系UIとして機能することを書いた。
今回は、非HUD系UIの一つであるプレイヤーキャラクターをUIとして機能させることのメリット・デメリットについて書きたい。
プレイヤーキャラクターをUIとして利用するパターン
メリット・デメリットについて触れる前に、どういった実用例があるかをみてみたい。
パターン1:エフェクトを発生させる
上記の動画の1:30頃、プレイヤーキャラクターである桐生一馬から青いオーラの様なものが表示されている。
このオーラは、プレイヤーキャラクターの攻撃力があがり、特殊な技が発動できる状態であることを示している。
これは、モンハンシリーズで多用されるパターンである。
パターン2:小物をアニメーションさせる
上記は、グラビティーデイズ2の動画である。本作では、天地が頻繁に反転するので、天地がわからなくなる。
そこで、スカーフや髪の毛が垂れる方向で天地がわかるようになっている。
加えて、それらがはためくことによって加速中であることがわかる。
パターン3:ゲージをのっける
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上記は、以前も紹介したデッドスペースである。
プレイヤーキャラクターの背中にHPゲージが搭載されている。
多くのゲームでは、左上に表示されているHPゲージをプレイヤーキャラクターに搭載するという荒業である。
メリット
プレイヤーがいつもみているのは基本的にプレイヤーキャラクターである。
そのため、プレイヤーキャラクターをUIとして機能させることで、ユーザーのゲームプレイを阻害することなく、必要な情報をプレイヤーに伝えることができる。
アクション性が高いゲームでは、プレイヤ-キャラクターに対する攻撃をかわす必要があるため、よりいっそうプレイヤーキャラクターを注視する時間が増える。こういったゲームでは、プレイヤーキャラクターをUIとして利用することは、とても効果的であると言える。
デメリット
大きくわけて2つあるが、まずパターン1、2に当てはまるのが、処理が重くなることだ。
エフェクトは、描画処理に負荷をかけるため、処理落ちが発生してしまう場合もある。
アニメーションさせる場合も、エフェクトほどの負荷は与えないが、負荷を与えないわけではない。
そして、パターン2、3に当てはまるものが、プレイヤーキャラクターのビジュアルデザインを依存することだ。
パターン2の場合だと、アニメーションさせるものがなければ成立しない。
極端な例を上げれば、全身タイツの様な服を着ているキャラクターでは実現できない。
パターン3に至っては、そういったUIを実装することが、前提でキャラクターデザインをしなければならないため、ほとんどのゲームで実装できず、版権モノのゲームではまず導入できない。
まとめ:
プレイヤーキャラクターをUIとして利用することは、とても効果的だが、実装できるゲームが限られている。
特に実装の可否がキャラクターのビジュアルデザインに依存してしまうという問題はなかなか解決できるものではないように思える。
プレイヤーキャラクターは、プレイヤーが愛着を持つようなものにする必要があるため、単にUIとして機能する様にデザインするわけにはいかないからだ。
例のごとく、メリット・デメリットを考慮し、プレイヤーキャラクターをUIとして機能させるか否かを判断する必要がある。
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