ゲームプランナーの技術ブログ

ゲームプランナーである管理人が、仕事する上で考えたことや習得したことを書くブログです。

シームレスインの実装時の課題

ここ1ー2年ほど、カットシーンに関わる仕事が多い。
そこで思い知ったのが、シームレスインの課題の多さだ
 
※シームレスインについては、以下を参照。
 
今回は、シームレスインにはどういった課題があるのかについて書きたい。

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課題1:PCを開始地点に誘導しなければならない

PCは、プレイヤーの操作を最も受け付けるキャラクターなので、開始地点への誘導が難しい。
 
PC(プレイヤーキャラクター)が、所定の位置につかないままカットシーンがはじまると、PCは、強制的に開始位置にワープしてしまう。
 
※ちなみにカットシーンの開始条件を「PCが所定の地点に到達したとき」と限定すれば、この問題は解決できるが、PCをそこに誘導する工夫が必要である。

課題2:各種キャラクターのモーションを補完をしなければらない

カットシーンがはじまると、各種キャラクターを乗っ取るのだが、
乗っ取る直前のモーションがすべてキャンセルされてしまう。
 
例えば、カットシーンの前に道を歩いているキャラクターを乗っ取り、
カットシーン中に煙草を吸わせようとすると歩きモーションが途中でキャンセルされ、
煙草を吸うモーションをはじめてしまう。
 

課題3:PCがカットシーン開始地点に入る方向を制限しなければならない

カットシーン上は、カットシーンが再生されるエリアの南側からPCが侵入する想定でつくられたカットシーンがあった場合に、北側からエリアに入られるとそのカットシーンが成立しなくなる。

課題1、2の対策:シームレスイン時は、AIで制御する

課題1、2に対してもこれは有効だ。
カットシーンに入る前に、AIでカットシーンに参加するキャラクターを誘導し、
かつ キャラクタのーモーションもカットシーン中にとるモーションをしたときに違和感がないものにする。
 
プレイヤーキャラクターに関しては、プレイヤーから操作を奪って(もしくは徐々にうばっていき)所定の場所で所定のモーションをとらせる。
 
ただ、プレイヤーは操作を奪われるのでそれなりにストレスを感じるだろう。
また、AIで制御している間は、カットシーンがはじめられないので、テンポが悪くなる可能性がある。
 
レッドデッドリデンプションは、AIで制御している間も、カットシーンっぽくみせることで上記の問題も解決している。
 
※操作を受けつている段階から、画面の上下に黒帯を配置して、カットシーンっぽくみせている

課題3の対策:プレイヤーキャラクターが侵入する方向を限定する

カットシーンが再生されるエリアをオブジェクトなどで塞ぎ、
プレイヤーキャラクターの侵入できる箇所を限定する。そうすれば、特定の方向からしか侵入できなくなる。
 
ただ、自由度が高いゲーム、アサシンクリードシリーズやスパイダーマンの様な移動の自由度が高いゲームではこの方法は通用しない。これらのキャラクターの動きを制限するのは難しい。
 

まとめ

いや、もう、シームレスインにする必要ある????
 
デトロイトみたいな最高峰のグラフィックとカットシーンを見せているゲームも、
軒並みシームレスインを採用していない。それでも十分にかっこよいカットシーンをみせている。
 
いずれにしても、シームレスインはコストが高いので導入する際には、費用対をしっかりと見極めた上で実装の可否を考えてほしい(切実)
 
シームレスインばかりのゲーム↓